photo by AYATO.

2019年11月3日、神奈川県藤沢市・鵠沼スケートパークにおいてスケートボードの世界大会予選「VANS PARK SERIES ASIA REGIONAL CHAMPIONSHIPS」(以下、「VPS」)の決勝戦が行われ、男子では笹岡健介、女子では岡本碧優(みすぐ)が優勝。笹岡と岡本は2020年アメリカ・ユタ州で開催される「VANS PARK SERIES CHAMPIONSHIPS in 2020」への出場権を獲得した。

優勝した岡本碧優(左)・笹岡健介(右)photo by AYATO.

サーフィンのコンテストとフェスからなる「VANS JOEL TUDOR DUCT TAPE INVITATIONAL AND FESTIVAL」(以下、「DTI」、「DTF」)も同時開催。天候の都合もあり、「DTI」は2日に決勝が行われ、男子ではアンディー・ニーブラス、女子ではホノルア・ブルームフィールドが優勝している。3日はプロサーファー達によるエキシビションマッチが行われ、一流のライディングを披露、ビーチに集まった観客を沸かせた。「DTF」ではジャマイカ料理などの多彩なキッチンカーや、ビーチ・サーフカルチャーを発信するアートギャラリーであるGREEN ROOM GALLERYなど多数のブランドのブースが出店。ワッペンでお気に入りのアイテムをカスタマイズするワークショップやキッズ向けのスケートボード体験会、DALLJUB STEP CLUBやPESといったアーティストによるライブも行われ、会場は多くの人で賑わいを見せた。

会場の様子 photo by AYATO.

「VANS PARK SERIES ASIA REGIONAL CHAMPIONSHIPS」

男女ともに1本30秒、計4本の獲得ポイントを合計し、100点満点で特典を競い、5人1組で1人づつランを行うジャム形式で競技が行われた。当日は天候の崩れの懸念もあり、前倒しのスケジュールで大会は進行。運営側から10万円のキャッシュが用意されており、大会中に見事なトリックをメイクした選手にはサプライズで技の難易度や完成度に応じた金額が都度支払われる演出もあり、選手達のランにも熱が入る。

永原悠路 photo by AYATO.

女子は菅原芽依、岡本碧優、溝手優月ら7名による決勝からスタート。練習時間では最良のラインを見極めるために、本番さながらの真剣な雰囲気で滑る各選手の姿が印象的であった。試技が開始されると、岡本がさすがの高さとスピードで他の選手を圧倒する。岡本の3本目では見事キックフリップインディグラブをメイク。溝手も技巧的な滑りで安定したランを見せ、追いすがる。結果は全競技終了後に発表されるとのことで大会はそのまま男子予選へと進行する。

溝手優月 photo by AYATO.

男子予選には35名のスケーターが出場。女子予選では会場の音楽はガーリーな選曲であったが、一転してパンキッシュに。RAMONESの「Blitzkrieg Bop」が流れ始めると、MCも曲に合わせて「Let’s Go!」とスケーターを煽る。1組目では増田薫が1本目から3000円のキャッシュを獲得。その後も各選手が高難易度のトリックをメイクしていき、会場のボルテージも徐々に高まってゆく。

増田薫 photo by AYATO.

決勝に進出したのは1位通過の永原悠路、2位につける笹原健介ら8名。先日同じ場所で行われた「THE SURFSKATERS 18th」において総合1位であった徳田凱も8位で進出した。いよいよ決勝がスタートすると選曲はより激しい曲へと変わってゆき、各選手の滑りもよりハードコアな展開に。決勝中では、永原と笹岡が安定し、かつ高度もスピードもある滑りで激しく争う。どちらが優勝してもおかしくない、どちらが優勝するか誰にも想像できない素晴らしい滑りを見せた両者、判定は表彰式に持ち越しとなった。観客が固唾を飲んで見守る中、コールされたのは笹原と岡本の名前。3月に同所で行われた「ブルボンPresents日本オープンJSFパークスタイルコンテスト」と同じく、師弟コンビでの優勝を飾った。両者は2020年アメリカ・ユタ州で開催される「VANS PARK SERIES CHAMPIONSHIPS in 2020」へのVANSのトラベルサポート付き出場権を獲得した。

笹岡健介 photo by AYATO.

「VANS JOEL TUDOR DUCT TAPE INVITATIONAL AND FESTIVAL」

ビーチエリアでは、VANS DUCT TYPE INVITATIONALで本戦に出場したロングボード世界トップクラスの選手たちによるエキシビジョンの ベストパフォーマンスコンテストと、パドルレースの2つが開催された。

エキシビションマッチの様子 photo by AYATO.

まずはベストパフォーマンスコンテストからスタート。男子16名、女子16名、総勢32名の世界トップクラス選手によるパフォーマンスは、 クラシックスタイルにとらわれず、スター達のフリーサーフィンに観客は大盛り上がりをみせた。 でんぐり返しからヘッドスタンドに、ボードをひっくり返し乗るなど、 ユーモアと独創性に溢れ、選手のアグレッシブルな雰囲気にビーチは笑顔と声援で覆われていた。
そして、エキシビジョンコンテストで一番盛り上がった男女別パドルレース。パドリングだけではなく、セットを掴んだ選手が一気に追い上げるなど、展開の読めないレースに多くの観客がビーチに集まり大熱狂した。
世界的カリスマ・スターのジョエル・チューダーを筆頭に様々な独自のフリーサーフィンで観客を魅了し、終始歓声と笑顔に溢れ、鵠沼ビーチをジャックする様子は、 今大会の醍醐味であるロングボードの良さを最大限に表現した大会となっていた。

スター達のサーフィンがビーチをジャックした photo by AYATO.

「VANS PARK SERIES ASIA REGIONAL CHAMPIONSHIPS」結果

男子

優勝:笹岡健介
2位:永原悠路
3位:阿部海璃

左から2位永原悠路、優勝笹岡健介、3位阿部海璃 photo by AYATO.

女子

優勝:岡本碧優
2位:菅原芽依
3位:溝手優月

左から3位溝手優月、優勝岡本碧優、2位菅原芽依 photo by AYATO.

優勝者コメント

男子優勝:笹岡健介

優勝することができて嬉しいです。1本目をしっかりと滑り切ることができたおかげで、2本目以降は気持ちに余裕を持って滑ることができました。しかし、2本目以降では攻めすぎてミスもあったのでそこは反省しています。世界で戦うために、もっと高さとスピードを極めていきたいです。

笹岡健介 photo by AYATO.

女子優勝:岡本碧優

嬉しい、の一言に尽きます。3本目でキックフリップインディグラブを決めることができたのですが、4本目では決められなかったのでそこが悔しいです。これからはスピードとグラインドを強化していきたいと思っています。

岡本碧優 photo by AYATO.

THE MOMENTS of 「VPS」「DTI」「DTF」

内田怜臣 photo by AYATO.
徳田凱 photo by AYATO.
ジャッジ photo by AYATO.
笹岡健介 photo by AYATO.
photo by AYATO.
阿部海璃 photo by AYATO.
エキシビションマッチ photo by AYATO.
エキシビションマッチ photo by AYATO.
エキシビションマッチ photo by AYATO.
DALLJUB STEP CLUB photo by AYATO.
ワークショップ photo by AYATO.
photo by AYATO.

「パーク」とは

「パーク」はスケートボードの種目の一つ。複雑な形状の湾曲した斜面が組み合わされた窪地状のコースが使用され、持ち時間の中でトリックのオリジナリティや難易度、完成度を競う競技。40秒程の制限時間の中、複数回試技を行い(今大会は1本30秒のランを計4本)優劣を競う。

開催概要

会期:2019年11月1日(金)~11月3日(日)
会場:鵠沼海浜公園(神奈川県藤沢市鵠沼海岸4-4-1)
入場料:無料
主催:株式会社エービーシー・マート
共催:藤沢市
種目:スケートボード パーク部門

photo by AYATO.

文・金子修平/Yui Asanuma

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