前人未到!3回目のチャンピオンベルトを獲得
現地時間、2019年11月9日(土)、インドのムンバイにて、今年で開催 16年目を迎える世界最高峰の1 on 1のブレイキン・ダンスバトル・トーナメント「Red Bull BC One World Final 2019」が行われ、B-boy、B-girl共に今年のチャンピオンが決定した。B-boy部門はRed Bull BC One All Stars にも所属する、オランダのMennoが優勝し、2014年のパリ大会、2017年のアムステルダム大会に続き、3回目のチャンピオンとなった。一人のB-boyが3度優勝することは、過去16回行われたこれまでのRed Bull BC Oneの歴史上未だになく、今回のMennoの優勝は史上初の快挙でもあった。B-girl部門はロシアのKastetが、準決勝で日本のMiMz、決勝でAyumiを倒し、見事、嬉しい初優勝を手にした。
3回目の王座獲得という、前人未到の記録をかけて今大会に臨んだMenno。初戦は、世界最終予選を勝ち上がり、World Finalへ出場を決めた日本のNoriとの対戦となった。お互いWorld Finalの舞台は何度も経験しているが、やはり過去に2回の優勝、その他の国際大会などでも常に上位をキープしているMennoの経験値は違う。終わってみればジャッジ票を全て奪い、5-0で完全勝利。その後も、準々決勝、準決勝と落ち着いたバトル運びで、スキルフルなムーブを繰り出し、相手にジャッジ票を2票以上与えない戦いで決勝まで勝ち上がった。
史上初の3度の優勝という記録がかかった決勝戦は、初戦で前回王者のLil Zoo を倒し、勢いにのるKilla Kolyaとのバトル。DJの曲がかかるとすぐさま先攻でMennoが飛び出し、両者ワンムーブ目からアクセル全開で戦いがスタート。全3ムーブが終了した後も、ジャッジが止めるまでお互い技を繰り出し続け、オーディエンスも総立ちでステージに声援を送るなど、この日一番の盛り上がりを見せ、グランドファイナルに相応しいバトルとなった。結果、Killa Kolyaに1票を奪われたものの、最後まで圧倒的な強さを見せたMennoが勝利。2年ぶりの優勝で、これまで誰も成し遂げることが出来なかった偉業を達成した。
尚、日本のKazuki Rockは初戦と2回戦を勝ち上がったが、準決勝でMennoに敗れ、ベスト4でフィニッシュした。
日本人3人がベスト4に進出したB-girl部門では、セミファイナルで前回王者のAmiが敗れ、決勝では3年連続でWorld Finalに出場しているAyumiが、初出場のKastetに負けてしまうなど、日本勢にとっては悔しい結果となった。今回優勝したロシアのKastetは、スピード感のあるムーブが武器で、その場の音や会場のフィーリングも取り入れたダンススタイルで、強豪揃いの日本人B-girlを撃破し、一躍シーンに名をとどろかせた。昨年から創設されたB-girl部門で2回目の王者となったKastet、これからの活躍が楽しみな新チャンピオンの誕生だ。
優勝コメント
Menno
とにかく嬉しくて、支えてくれた家族や友達と祝うのを楽しみにしています。決勝のバトルが一番印象に残っていて、お互い優勝ベルトの欲しさに3ラウンドのところを5ラウンドやったり、会場もすごくエキサイティングしていて盛り上がっていました。3度目の優勝は目標にしていたし、達成した今は夢みたいだね。
Red Bull BC One に向けては体力面やマインド、技もこの大会にセットして調整してきました。これからしばらくは、もっとクリエイティブなことをしたり自分の練習に戻れるので楽しみです。
直近の目標はフリースタイルセッションで優勝すること、その先は2024年のパリ五輪を目指していて、そのタイミングが自分にとって現役最後のバトルになると思っています。
Kastet
優勝できてとても嬉しい。今でも信じられない気持ちです。AYUMIとのFINALバトルはとても素晴らしかった。バックステージではFINALは楽しもうと思って挑みました。
音楽をきいて、そしてダンスをする、何も考えず楽しみました。いつもサポートしてくれる皆さん、クルーのみんな、両親にありがとうと言いたいです。
The moment of「Red Bull BC One World Final 2019」
開催概要
Red Bull BC One World Final 2019
開催日程:11月9日(土)
開催場所:ムンバイ(インド)
ジャッジ:Lil G, Poe One, Narumi, Intact, Physicx
ライブ配信:11月10日(日) 1:00AM〜(日本時間)
Interview & Text:Eiji Zaima、Shin Akiyama